横浜7-2沖縄尚学
織田翔希(横浜) 投手 185㎝80㎏ 右投右打

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高校生で1位指名が確実視されているのが先日のコラムで取り上げた菰田陽生(山梨学院)とこの織田になるだろう。その存在を初めて知ったのは北九州市立足立中学の3年の春である。地元福岡在住の中学野球に精通した知人から、軟式で140キロを超える大型右腕がいると聞いたのだ。その時点でも既に多くの強豪校から誘いがあったというが、その中から横浜を選ぶこととなった。実際に初めてピッチングを見たのは2024年9月21日に行われた湘南工大付との試合だ。1年生ながら織田は最速146キロをマーク。そしてそんな数字に指先の感覚の良さが際立っていたのをよく覚えている。チームはその後の明治神宮大会、翌年春の選抜高校野球でも優勝を果たし、織田も投手陣の一角として活躍。一気に全国区となった。
そして迎えた最後の夏。甲子園初戦で昨年度優勝の沖縄尚学といきなり対戦することとなったが、8回2/3を投げて2失点の好投で見事勝利をおさめて見せた。この日のストレートは度々150キロを超え、球場表示で最速154キロをマークしたが、それ以上に良さが目立ったのが変化球である。今年春の選抜まではスピードのある変化球に課題がある印象だったが、この日はスライダー、スプリットを見事に操ることができていたのだ。どちらも腕の振りがストレートと変わらず、手元で変化するため打者はボール球にも手が出てしまう。実際この日奪った12個の三振のうち9個は変化球が決め球だった。沖縄尚学打線も速いボールの対策はしていたようでストレートにはある程度対応していたが、ここまで変化球のレベルが上がっていることは想定外だったのではないだろうか。
続く14日の日南学園戦では甲子園歴代最速となる156キロをマーク。準々決勝の花巻東戦ではその156キロを7度計測し、完封勝利をあげている。他の有力候補がコンディションに苦しむ中で、1年から投げ続けても調子を大きく崩すことがなく、3年夏にさらにパフォーマンスを上げてきたのは見事という他ない。投手としては大学生、社会人を含めてもトップと評価する球団も多いはずだ。
ちなみに高校生の投手が1位で競合したのは2021年の小園健太(市和歌山→DeNA)の2球団が最後で、3球団以上となると2019年の佐々木朗希(大船渡→ロッテ・4球団)と奥川恭伸(星稜→ヤクルト・3球団)以来となる。果たして織田の評価はどこまで高くなるのだろうか。

西尾 典文 Norifumi Nishio
1979年生まれ。愛知県出身。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材する熱血スポーツライター。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説を務め、「原石発掘!ドラフトハンター」や「プロ野球仮想ドラフト会議」にも出演。

