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2024/9/27 新着情報
【ドラフトへの軌跡2024】第7回 麦谷祐介(富士大) 4年 外野手

2024年8月17日、18日 北東北大学野球秋季リーグ戦 青森県総合運動公園野球場
17日:富士大11-2青森中央学院大
18日:青森中央学院大0-2富士大

 

麦谷祐介(富士大) 4年 外野手 180㎝83㎏ 右投左打 大崎中央

 


© 野球太郎

 今年、地方大学で最も注目を集めているチームと言えば富士大になるだろう。昨年は春の大学選手権、秋の明治神宮大会でいずれも準決勝に進出。今年の4年生は7人もの選手がプロ志望届を提出しており、同一チームからの最多指名人数更新にも期待がかかっている(過去最多は5人)。その中でも最注目と見られているのが外野手の麦谷祐介だ。


 初めてプレーを見たのは大崎中央で3年夏に出場した宮城県独自大会、対松島戦だ。ちなみにお目当てはエースの氏家蓮(現・BCリーグ神奈川)だった。麦谷は1番、センターで出場し、スリーベースでは三塁到達11.21秒という快速を見せている。ただ、足の速さは目だったものの、それ以外のプレーは強く印象に残らなかった。打撃が大きく成長したのは大学入学後で、昨年は春に下山海翔(現・阪神)、秋に常広羽也斗(現・広島)という青山学院大からドラフト1位でプロ入りした2人からもホームランを放っている。


 春はリーグ優勝を逃してみる機会がなく、最終学年でのプレーぶりを確認するべく秋季リーグ戦の開幕週に足を運んだ。青森中央学院大との第1戦は6回まで無得点で1点をリードされる重苦しい展開だったが、7回にツーアウト三塁から麦谷が同点タイムリーを放つと、その後打線が爆発。最終的には11点を奪って大勝をおさめた。翌日の試合も0対0で迎えた5回に先制のタイムリーツーベースを放ち、これが決勝点となっている。ちなみにこのツーベースはセンター前への当たりで、相手の守備を見てすかさず二塁を陥れる好走塁も見事だった。センターから左へも長打を放つことができ、高校時代からの持ち味であるスピードも健在だが、それ以上に魅力なのがここ一番での集中力である。どちらの試合も麦谷の一打が勝負を決めるものとなっており、そういう場面でしっかり結果を残せる選手というのはそうそういるものではない。両日とも多くのスカウトが視察に訪れており、ドラフトに向けてのアピールという意味でも重要な試合だったが、改めて強い印象を残したことは間違いないだろう。


 外野手としての能力が高いだけでなく、長打も期待できるというのは貴重な存在だけに、展開次第では上位で名前を呼ばれることも十分に期待できそうだ。


西尾 典文 Norifumi NISHIO


1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。2017年からはスカイAのドラフト会議中継で解説を務め、2021年・2022年・2023年には仮想ドラフト会議にも出演。
アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材する熱血スポーツライター。

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