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2024/9/20 新着情報
【ドラフトへの軌跡2024】第6回 村上泰斗(神戸弘陵) 3年 投手

2024年6月25日 高校野球練習試合 三木山運動公園野球場
神戸弘陵1-0生光学園(延長10回)

 

村上 泰斗ムラカミ タイト(神戸弘陵)
3年 投手 180㎝76㎏ 右投右打

 


© 野球太郎

今年最も強く印象に残っている試合の一つがこの練習試合だ。何よりも驚かされたのが視察に訪れていたスカウトの数である。試合開始に合わせてあまりに増え続けるので数えてみたところ、10球団、合計37人。その中には巨人の水野雄仁スカウト部長、日本ハムの木田優夫GM代行、オリックスの福良淳一GMなど球団幹部も含まれている。スカウト陣のお目当ては神戸弘陵の村上泰斗、生光学園の川勝空人という両エースだが、その前で強烈なインパクトを残したのは村上の方だった。初めてピッチングを見たのは3月に行われた報徳学園との練習試合で、この時も春先の寒い時期ながら最速149キロをマークしているが、3回を投げて4失点と安定感には乏しかった。それから約4カ月、村上は確かな成長を見せることとなる。


立ち上がりから4者連続三振を奪うと、3回までパーフェクト、8奪三振とまさに完璧なピッチングを披露。4回に少し制球を乱してツーアウト満塁とされたが、このピンチも後続から三振を奪って無失点で切り抜けると、5回も三者凡退。最終的に5イニングを被安打1、11奪三振で無失点という圧巻の内容だった。ストレートの最速は150キロと数字的には春先とそれほど変わらないが、アベレージのスピードは明らかにアップしており、コンスタントに145キロ以上をマーク。高い位置から腕が振れ、指にかかったボールは高めだけでなく低めも勢いが落ちない。そして村上の良さはストレートだけではない。鋭く変化するスライダー、カットボール、フォークは決め球として十分な威力があり、110キロ台のカーブも緩急をつけるのに有効だった。奪った11個の三振のうち9個が空振りであり、それも変化球のレベルの高さがあるからと言えるだろう。


夏の兵庫大会は自身が先発を回避した3回戦でチームは敗れたが、村上はリリーフで2回を投げてパーフェクト、5奪三振とここでも圧巻の投球を見せている。甲子園や近畿大会などの出場はなかったものの、その実力は高校生ではトップクラスであることは間違いない。そんな村上を指名する球団は果たしてどこになるのだろうか。


西尾 典文 Norifumi NISHIO


1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。2017年からはスカイAのドラフト会議中継で解説を務め、2021年・2022年・2023年には仮想ドラフト会議にも出演。
アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材する熱血スポーツライター。

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