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2024/8/14 新着情報
【ドラフトへの軌跡2024】第1回 柴田獅子(福岡大大濠) 3年 投手

2024年7月6日 全国高校野球選手権福岡大会 小郡市野球場
福岡工0-10福岡大大濠(5回コールド)

 

柴田 獅子シバタ レオ(福岡大大濠)
3年 投手 190㎝85㎏ 右投左打

 


© 野球太郎

1年で最も球場を訪れることが多く、スケジュールを組むのに頭を悩ませるのが7月だ。高校野球では全国で地方大会が行われ、中旬からは社会人野球の都市対抗も開幕。毎年各地で抽選結果が出るとある程度予定を立てるが、雨天順延やお目当てのチームの敗退などもあって日々スケジュールを組みなおすことになる。


その中でも今年見ておくべき選手として最上位に位置付けたのが福岡大大濠のエース、柴田獅子だった。昨年まで目立った実績はなかったが、今年に入ると複数のスカウトや関係者からその名前を聞くようになり、中には高校ナンバーワン右腕と言われている今朝丸裕喜(報徳学園)よりも上ではないかという声もあった。調べてみると190㎝の長身で映像を見る限りフォームも良いように見える。そうなれば見ないわけにはいかないとなり、福岡大会3回戦が行われた小郡市野球場に足を運んだ。


狙い通り先発のマウンドに上がった柴田は立ち上がりから三者凡退、2奪三振と圧倒的なピッチングを見せる。スピードは度々145キロを超え、最速は149キロをマーク。最近は高校生でもこれくらいの数字をたたき出す投手は珍しくなくなっているが、柴田は190㎝の長身とたくましい体格でフォームに躍動感があり、体重がしっかり前に乗って、豪快に腕を振ってくるのでボールの“圧”が他の投手とは明らかに異なっているように見えた。これだけの大型でもコントロールも安定しており、常にストライク先行で投げられるのも大きな長所である。変化球はスライダー以外はほとんど確認できなかったが、腕を振って投げられ、変化の鋭さも申し分なかった。結局5回を投げて許した走者は味方のエラー1人だけで参考記録ながらノーヒット・ノーランを達成。評判に違わぬ投球だった。


そして柴田の魅力はピッチングだけではない。中軸を任されているバッティングでも3打数3安打2打点と見事な活躍を見せたのだ。大きな構えでゆったりとタイミングをとり、ヘッドスピードと打球の速さも超高校級と呼べるレベルにある。簡単に二刀流と言うべきことは当然だが、そんな可能性も十分に感じさせた。
その後、チームは福岡大会決勝で西日本短大付に敗れ、先発した柴田は打ち込まれて早々に降板となったが、この日の投球を見れば今年の高校生でトップクラスのポテンシャルを秘めていることは間違いない。スケールの大きい投手が欲しい球団は、上位で狙う可能性も高いだろう。


西尾 典文 Norifumi NISHIO


1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。2017年からはスカイAのドラフト会議中継で解説を務め、2021年・2022年・2023年には仮想ドラフト会議にも出演。
アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材する熱血スポーツライター。

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