東京ガス6-9JR東日本
藤澤涼介(東京ガス) 外野手 187㎝90㎏ 右投右打 佐野日大→横浜国立大

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社会人の野手、特に大学卒の選手は高い評価でプロ入りするのが難しいと言われているが、今年の候補で1位指名の可能性もありそうなのが東京ガスの藤澤涼介だ。佐野日大時代は全国的には無名の存在だったが、横浜国立大で大きく成長。3年秋のリーグ戦後に行われた大学日本代表候補合宿にも召集されると、毎年行われている50メートル走の計測で全体2位となる5.97秒をマークして話題となった(光電センサーによる計測)。神奈川大学一部リーグでも13本塁打を放つなど注目を集めたが、大学卒業時にはプロ志望届を提出することなく東京ガスに進んでいる。
大学野球で実績を残した選手でも社会人野球ではレベルの高さに苦しむケースは多いが、藤澤は1年目から不動の中軸に定着。昨年の都市対抗予選でも4試合で3本のホームランを放ってチームの本大会出場に大きく貢献した。2年目の今シーズンも春先から順調にヒットを重ねていたが、特に印象に残っているのがこの試合だ。第1打席では死球、第2打席ではレフト前ヒットで出塁。第3打席はライトフライに倒れたものの、第4打席では来年の上位候補である洗平比呂の146キロのストレートをとらえて左中間スタンドに叩き込んで見せたのだ。ちなみにこの第4打席まで全てファーストストライクをスイングしており、積極的に振って結果を残すことができるというのが大きな魅力である。
そんな藤澤の持ち味は長打力と確実性を高いレベルで備えているという点だ。今年出場した公式戦で一度も出塁することができなかったのは4月8日に行われたJABA静岡大会のHonda戦だけで、21試合で37安打、4本のホームランを含む長打10本を放っている。チーム関係者に聞いた話では、オープン戦でもヒットを打てなかった試合はほとんど記憶にないとのことで、都市対抗本戦でもチームは初戦で敗れたものの第3打席ではセンター前ヒットを放った。昨年結果を残したことで今年はマークもかなり厳しくなっているように見えるが、それでもここまで結果を残せるのは見事という他ない。バットのヘッドをかなり投手方向に向ける独特の構えを気にする声もあるものの、振り出しの鋭さは抜群でストレートにも変化球にも対応できる打撃技術の高さはアマチュア球界全体でも屈指だ。ちなみにJR東日本戦には30人を超えるスカウトが集結しており、改めてその注目度の高さがうかがえた。
守備については球際の強さと返球のスピードに少し物足りないところがあるのは課題だが、脚力と肩の強さは元々高いレベルにあり、しっかり鍛えていけばプロでもセンターを守れるだけのポテンシャルの高さはあるように見える。ちなみに大学卒の社会人外野手が1位指名を受けたのは2018年の近本光司(大阪ガス→阪神)が最後だが、藤澤がそれに続くことも十分に考えられるだろう。

西尾 典文 Norifumi Nishio
1979年生まれ。愛知県出身。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材する熱血スポーツライター。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説を務め、「原石発掘!ドラフトハンター」や「プロ野球仮想ドラフト会議」にも出演。

