東洋大4-3亜細亜大
池田彪我(東洋大) 4年 三塁手 180cm90kg 右投左打 三重高
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今年のドラフト候補は目玉と見られている立石正広(創価大)を筆頭に松下歩叶(法政大)、谷端将伍(日本大)など強打者タイプの内野手が多く揃うが、左のスラッガーという意味で面白い存在になりそうなのが東洋大の池田彪我だ。三重高校では3年夏に4番、ファーストとして出場し、チームは初戦で敗れたもののホームランも放っている。大学でも2年秋からレギュラーとなると、昨年秋の一部・二部入替戦では第1戦でサヨナラホームランを放つなどチームの一部昇格に大きく貢献。今年春は一部で3割近い打率を残してベストナインにも輝いた。
この日も3番、サードで先発出場すると、第2打席ではドラフト1位候補の山城京平(4年・投手・興南)からレフト前ヒットで出塁。そして1点を追う8回の第4打席ではリリーフ登板した黒木陽琉(2年・投手・上村学園)からライトフェンスを直撃する逆転の2点タイムリースリーベースを放ち、チームを勝利に導く活躍を見せた。堂々とした体格で大きく構え、常にホームラン、長打が出そうな雰囲気がある。少し踏み出す右足がアウトステップする傾向はあるものの、体は一塁側に流れることなくしっかり残して強く降ることができており、インパクトの強さも申し分ない。この日も山城、黒木とともに150キロ前後のスピードを誇るサウスポーを相手にも体勢を大きく崩されることなく、常にフルスイングする形ができていた。
打撃以外の面が紹介されることは少ないが、サードの守備も年々レベルアップしており、この日も二度の守備機会を無難に処理している。また二度あった内野ゴロの一塁到達タイムはどちらも4.2秒台をマークしており、スラッガータイプでありながら足を緩めることなく全力疾走する姿勢も好感が持てた。この秋は10月16日終了時点で打率.425、3本塁打をマークしており、成績面でも強烈なアピールを見せている。左の強打者タイプが欲しい球団は高い順位で指名する可能性もありそうだ。

西尾 典文 Norifumi NISHIO
1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。2017年からはスカイAのドラフト会議で解説を務め、最近では仮想ドラフトにも出演。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材する熱血スポーツライター。