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2025/10/3 新着情報
【ドラフトへの軌跡】第8回 竹丸和幸(鷺宮製作所) 23歳 投手
2025年6月17日 都市対抗野球東京都二次予選 大田スタジアム
鷺宮製作所8-7Honda(延長12回タイブレーク)
 

竹丸和幸(鷺宮製作所) 23歳 投手 178cm 69kg 左投左打 崇徳→城西大



© 野球太郎
 

 今年の社会人でナンバーワン投手と見られているのが鷺宮製作所の竹丸和幸だ。高校時代は全国的に無名の存在で、大学でも首都リーグの二部でのプレーが多かったが、最終学年では一部でも好投を見せていた本格派サウスポーである。社会人2年目の今年は3月に行われれたJABA東京スポニチ大会でチームの優勝に貢献するなど主戦へと成長。そして注目度の高さが感じられたのがこの日の試合だった。

 

 都市対抗本戦出場のためには重要な試合ということで予想通り竹丸は先発のマウンドに上がったが、スタンドには確認できただけでも総勢42人のスカウトが集結していたのだ。これは春夏の甲子園や大学選手権など全国大会を除くと、今年筆者が見た中で最多の数である。最多は巨人の10人で、NPB全12球団が複数人体勢だったということにも竹丸の評価の高さがよく分かるだろう。この日の竹丸は中3日での登板で、気温も30度を超える暑さだったこともたって序盤は少し力を抑えての投球に見えたが、それでも5回2/3を投げて1失点と試合を作り、ストレートの最速も149キロをマークした。本調子ではない中でもこれだけの投球を見せたことは、高い実力の証と言えるだろう。

 

 そして迎えた都市対抗本戦。8月30日に行われたTDK戦で先発した竹丸は6回を投げて被安打2、8奪三振で1失点と見事な投球でチームを勝利に導いて見せた。最速150キロをマークしたストレートや多彩な変化球も素晴らしかったが、それ以上に目立ったのが制球力の高さだ。常にストライク先行でコーナーに投げ分けることができており、6回で69球と球数も少なく、さらにそのうちボール球はわずか17球しかなかった。それで8個の三振を奪えているというところに、ボールの質と制球力の高さがよく表れていると言えるだろう。

 

大学卒2年目だが本格化してきたのは大学3年生からと遅く、細身の体つきを見てもまだまだ成長が見込めるというのも魅力だ。大学生、社会人全体を見ても左腕ではトップと言える存在であり、最初の入札での1位指名の可能性もありそうだ。

 


西尾 典文 Norifumi NISHIO


1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。2017年からはスカイAのドラフト会議で解説を務め、最近では仮想ドラフトにも出演。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材する熱血スポーツライター。

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