トップページ > お知らせ > 【ドラフトへの軌跡】第6回 垣内凌(浦和学院) 3年 外野手

お知らせnews

2025/9/19 新着情報
【ドラフトへの軌跡】第6回 垣内凌(浦和学院) 3年 外野手
浦和学院2-3横浜
 

垣内凌(浦和学院) 3年 外野手 182cm 86kg 右投左打



© 野球太郎
 

 今年の春夏の甲子園でスカウト陣からよく聞かれたのが、実力はありながらも高校からのプロ入りを希望せずに、大学や社会人へ進む選手が非常に多いということである。しかし甲子園出場に縁がなかった選手の中でもプロ志望届を提出した有力選手は確かに存在している。外野手で筆頭格と言えるのが浦和学院の垣内凌だ。1年夏に出場した甲子園ではベンチ外だったが、1年秋からは外野の一角に定着。初めてその存在を意識したのは2年秋の埼玉県大会の対上尾戦で、3安打を放つ活躍を見せてチームの勝利に大きく貢献した。ただこの時はどちらかというと肩の強さが目立ち、バッティングについてはそこまで強烈なインパクトがあったわけではない。体もまだそれほど大きくなく、将来的には楽しみな存在になりそうだという程度の認識だった。

 そんな印象が大きく変わったのは3年春の関東大会の対横浜戦だ。体つきは上半身も下半身も秋と比べて見違えるほどたくましくなり、秋とは別人のように打撃が力強くなっていたのだ。相手の先発は早くも来年のドラフト1位候補と言われている織田翔希(2年)だったが、第2打席でセンター前に鋭くはじき返すと、9回の第4打席では打った瞬間に分かるソロホームランをライトスタンドに叩き込んで見せた。体が大きくなってパワーがつくと、どうしても力任せなスイングになる選手も多いが、垣内はそういうところがなく、バランス良く全身を使って振れるのが大きな長所だ。ホームランも結果としてはライト方向だったものの、決して強引に引っ張ったバッティングではなく、きれいに振りぬいたものだった。また外野の守備についても打球に対する反応や捕球から送球までの動きも素早くなっており、肩の強さがより生きるようになった印象だ。

 夏の埼玉大会では3回戦で早々に敗れ、わずか2試合で高校野球生活を終えたが、それでも初戦の本庄第一戦ではホームランを放つなどさすがのプレーを見せた。進路についても9月12日にプロ志望届を提出。高校生の外野手では総合的に見てもトップと言える存在であり、若い外野手が欲しい球団にとっては狙い目の選手であることは間違いないだろう。

 


西尾 典文 Norifumi NISHIO


1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。2017年からはスカイAのドラフト会議で解説を務め、最近では仮想ドラフトにも出演。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材する熱血スポーツライター。

阪神タイガース主催公式戦 徹底放送!! スカイAは虎バン主義。猛虎戦士の勇姿をお届け!! 視聴方法へ