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2023/9/21 新着情報
【ドラフトへの軌跡2023】第6回 横山聖哉(上田西) 3年 遊撃手

2023年6月3日 高校野球秋季北信越地区大会 金沢市民野球場
上田西4-5×遊学館(9回サヨナラ)

 

横山聖哉(上田西) 3年 遊撃手 181㎝82㎏ 右投左打

 


© 野球太郎

 下級生の頃から活躍することが多い大学生とは違い、高校生の場合は最終学年になって一気に評価を上げるという選手も多い。今年の高校生野手でそのケースに最も当てはまる選手になりそうなのが上田西のショート、横山聖哉だ。その存在を認識したのは4月のことである。別の試合を見ていた時に長野県を担当しているスカウトから「上田西のショートは見ました?あれは見ておいた方がいいですよ」と言われたのがきっかけだった。上田西は長野県内でも屈指の強豪校であり、前年春の北信越大会にも出場している。その時のパンフレットを調べたところ、横山の身長は173㎝となっていたため、小柄でスピードのある選手かと勝手にイメージしていたが、この日球場で見た“背番号6”は周りの選手と比べても明らかに体つきが違い、そのことにまず驚かされた。後から聞いた話では、2年春の時点でも173㎝よりは大きく、古い数字をそのまま記載していたそうだが、高校入学後に10㎝近く身長が伸びたとのことである。急激に身長が伸びるとどうしても細く見える選手が多いが、横山は体格もしっかりしており、冬の間にしっかりと鍛えてきたことがうかがえた。


 そしてプレーでまず驚かされたのがその強肩だ。試合前のシートノックでのボール回しで投げる送球は明らかに他の選手とスピードが異なっていたのだ。聞けば投手でも150キロに迫るスピードをマークするという。試合が始まっても相手のショートと比べても相当深い位置を守っており、その肩に自信があることがうかがえた。守備の見せ場が訪れたのは2回のプレーだ。セカンドが打球を処理するいわゆる『4-6-3』の併殺プレーでセカンドベースに入った横山はそのまま流れるようなフットワークで一塁へ送球。そのボールはまさに矢のような勢いでファーストミットに突き刺さったのである。この部分だけを切り取れば、大学生や社会人に混ざってもトップクラスの迫力だった。バッティングでもレフトへの犠牲フライとレフト前ヒットを放ち1安打1打点と中軸としての役割をしっかり果たしている。残念ながら試合は敗れたが、スタンドに集結したスカウトに強烈なインパクトを与えたことは間違いないだろう。 


 その後も2度現地で横山のプレーを見る機会があったが、夏の長野大会初戦では試合を決めるホームランを放ち、甲子園での土浦日大戦でも度々軽快な守備を見せて春から夏にかけても攻守にレベルアップした姿を見せてくれた。総合的に見て高校生でナンバーワンのショートという評価は間違いなく、上位指名で名前が呼ばれる可能性も高そうだ。


西尾 典文 Norifumi NISHIO


1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などを テーマに野球専門誌に寄稿を開始。2017年からはスカイAのドラフト会議で解説を務め、2021年には仮想ドラフト会議にも出演。
アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材する熱血スポーツライター。

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