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2025/9/5 新着情報
【ドラフトへの軌跡】第4回 秋山俊(中京大) 4年 外野手
2025年3月13日 東海地区社会人・愛知大学野球対抗戦 岡崎レッドダイヤモンドスタジアム
中京大3-4西濃運輸
 

秋山俊(中京大) 4年 外野手 183㎝86㎏ 右投左打 仙台育英



© 野球太郎
 

 今年も大学生に有望株が多いが、地方リーグの野手で筆頭格と言えるのが中京大の秋山俊だ。仙台育英では1年秋からレギュラーとなり、3年春には甲子園にも出場。チームのベスト8入りにも貢献している。中京大でも1年春からレギュラーとなり、多くのタイトルを獲得してきた。

 ただ近年の傾向を見ると秋山のようなホームラン打者ではない右投左打の外野手というのはプロからの評価が低くなることが多く、昨年も飯山志夢(立正大→ENEOS)、柴崎聖人(大阪経済大→王子)などが指名漏れとなった。そのため正直シーズンが始まる前は高い評価を得るのは難しいのではないかとも考えていたが、その印象を良い意味で大きく覆すことになったのがこの試合だ。ワンアウト二塁のチャンスで迎えた3回の第2打席には初球の変化球をとらえてライト前へのタイムリーとすると、続く第3打席ではセンター左へのツーベース、第4打席ではセンターへの犠牲フライを放ち、社会人の投手を相手に2安打2打点の活躍を見せたのだ。

 プロフィールの数字を見ても分かるように体つきは年々大きくなっており、それに比例するように長打力も確実性もアップしている印象を受ける。タイミングをとる動きに無駄がなく、ボールを長く見ることができ、振り出しの鋭さも申し分ない。強引に引っ張るのではなく、センターから左にも大きい当たりを打てるというのも大きな魅力だ。

 体が大きくなるとスピードが落ちる選手も多いが、秋山に関しては脚力も高い水準で維持しているように見え、この日も2つの盗塁を決めて見せた。スタートの思い切り、加速、スライディングなどが高レベルで、走塁に対する意識の高さも感じられる。守備に関してはそこまで突出したものはないように見えるが、高いレベルでも無難に守れるだけの能力をそなえていることは間違いないだろう。

 この後のリーグ戦でも厳しいマークの中で4本のホームランを放つと、続く大学選手権では3試合で9打数5安打、1本塁打の活躍を見せて大学日本代表にも選出。7月に行われた日米大学野球でも14打数6安打、打率.429で見事首位打者も獲得して見せた。この春から夏の活躍で高い評価を不動のものとしたと言えるだろう。阪神が上位候補にリストアップという報道も出ており、高い順位でのプロ入りも十分に期待できそうだ。

 


西尾 典文 Norifumi NISHIO


1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。2017年からはスカイAのドラフト会議で解説を務め、最近では仮想ドラフトにも出演。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材する熱血スポーツライター。

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